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突然死予防のカギは血管の健康 J-ISCPが市民公開講座

血圧管理の重要性を語る佐田教授=東京都千代田区の新霞が関ビル灘尾ホール
講演では、具体的な血圧の目標値を紹介した
取り入れやすい運動として、講演の合間にブラジリアンダンスの教室も開かれた
突然死につながる心筋梗塞や脳卒中を防ぐため、血管の健康の大切さを知ってもらおうという市民公開講座「心臓と血管を大切にして元気で活き生き」が6月9日、東京都内で開かれた。国際心血管薬物療法学会日本部会(J-ISCP)が主催した。
「動脈硬化の治療:血圧と脂質の管理が一番」のテーマで講演した佐田政隆・徳島大学大学院教授は、心筋梗塞の危険因子のうち、大きなものとして高血圧と脂質異常を挙げた。この中で高血圧について、佐田教授は「高血圧は日本人に4000万人もいる最も多い危険因子」とし「高血圧は無症状のうちに全身の血管をぼろぼろにするので、家庭血圧計などで日常的にチェックする必要がある」と語った。
次に脂質異常については「善玉のHDLコレステロール値が低く、LDLコレステロールや中性脂肪の値が高い人に心筋梗塞が多い」と解説。日本人のコレステロール値が1980年代から急上昇している現状を紹介し「高血圧の予防も含め、伝統的な和食と運動が大切」と訴えた。
また、大学病院で搬送されてくる患者を診ている立場から、「胸や肩、みぞおちなどに突然強い痛みを感じたら心筋梗塞の可能性があり、すぐに受診してほしい。対処が遅れて亡くなる人も多い」とアドバイス。食事や運動で脂質異常が改善しない場合は薬物治療も選択肢に入ることも紹介した。
吉田雅幸・東京医科歯科大学生命倫理研究センター長は「心筋梗塞はどうして起こるのか−プラーク破裂とは」のテーマで講演。最近、40代の人気女優が軽度の心筋梗塞を発症した例を示し「心筋梗塞や脳卒中は血管の病気なので、やせていても発症することがある」と注意を呼びかけた。やせていても発症するケースとして、家族性高コレステロール血症の人や、血管の内壁が弱ることで起こる冠動脈れん縮性狭心症を挙げた。
会場からの質問に答える(左から)森本教授、佐田教授、吉田センター長、J-ISCP理事長の長谷川浩二・京都医療センター展開医療研究部長
森本達也・静岡県立大学薬学部教授は、ウコンの主成分でカレーの黄色い色素でもあるクルクミンが心不全発症を抑制するとのデータを紹介。発症に関係する酵素をクルクミンが抑えるメカニズムを解説したうえで「クルクミンはカレーに微量しか含まれていないため、サプリメントで摂取することが考えられる」と語った。
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